先日、アントワープへあるテキスタイルの加工をしている業者を訪ねてきました。主にステージカーテンやイベントファブリックを扱っているところで、
Inside Outsideも多くのプロジェクトでコラボレーションしている業者です。
今回はこの夏完成予定のプロジェクトの為にレーザーカットのテストを。レーザーカットを扱う所はアムステルダムにも沢山ありますが、大抵幅1.5mまでしか加工できません。今回訪ねたところは約5mまでの布を加工することが出来るため、依頼しました。
しかし、大きな布を加工できるのは良いものの、レーザーのパワーも、スピードもスケールの大きいカット用であるがために、私達の求める細やかなカットがなかなか思うように出来ず、また私たちの用いた素材も非常に薄く柔らかいもので、設定をいくつも変えながらテストを重ねて、こちらのスタッフと限られた時間の中で話をしなが
ら、試しました。
Inside
Outsideのデザインは、いつも「ちょっとそれは、難しいのでは…」というもので、毎回が挑戦で、毎回事務所を越えたコミュニケーションが必須です。また、予算や時間の関係上、ある程度諦めなければならないこともあったり、次回へ活かすべき点も数々浮かび上がります。当たり前のことですが、今後自分自身で何かデザインする機会が有った際にも、こういったプロセスは欠かせないのだと、身を以て感じました。
また、今回は初めての1人での出張でした。これまでは経験豊富なスタッフと出かけ、コミュニケーションも基本的には頼っていて(オランダ語であれば尚更)、常にノートをとって、写真を撮るのが私の役割だったのですが、今回は自分で議論や交渉をなるべく事細かにすることもトライしてきました。事務所の外で、初めて会う人に(英語で)細かいことを聞いたり頼んだり、ちゃんと出来るだろうか、ととても不安だったのですが、実際にやってみると面白さの方が先行して、気がついたらいつの間にか…。
こちらで働いてみて、常々感じることは、「案外出来るのだなぁ。」です。英語なんて全く話せない、とんでもない状態で飛び込んでいったので、周囲の人達の理解と協力あってこそですが、やってみると、意外と出来るものだなぁと感じることが非常に多いと思うのです。
言語、実務、文化等、全てが初めてで、学ばざるを得ない環境に身を置いているので、考えてみれば当然の感情なのですが、やはり自信に繋がっていると思います。
このプロジェクトが無事完成しましたら、また改めてご紹介しようかと思います。