モックアップ。


先月、アントワープでレーザーカットのテストをしてきましたが、(前回の記事をご参照ください。)今週ようやくそのモックアップが出来上がったので、現場で最終チェックをしてきました。結果は、おおまかにOKでした。多少ディテールにまだ改善の余地ありですが。ほぼ完成に近いです。

現場とは、オランダの建築をリードするチームのひとつであるSeARCHの手がけた建築です。
Inside
Outsideの面白いところのひとつは、建築が仕上がってから参加していくのではなく、ある段階から建築家とコミュニケーションを積極的にとり、同時進行にインテリアをデザインしていくことです。カーテンやスクリーンも、図面を仕上げる段階に介入していかなければただの飾りになってしまいます。芸術性も追求していますが、あくまで建築の一部であることに意味があります。

建築の用途は、ユダヤ教の会堂、シナゴーグ。祈りの場、教育の場で、彼らにとって重要なコミュニケーションの場です。
これが、メインの会堂で、開口は最高地点で12M近くあります。もみじのような形はユダヤ教のシンボルのひとつ、メノラという、ロウソク立てを模したものだとか。
Inside Outsideは、この大開口にかけるスクリーンをデザインしました。

図面やレンダリングで見ただけの頃、実はあまり好きになれなかった建築ですが、いざ完成に近づき空間を体験してみるとだんだん好きになってきました。オランダの現代建築を見ていると、非常にコントラストを大切にしているように見えます。素材感や色もそうですが、壁や柱の配置、寸法にもその傾向があるのではないかと個人的に感じています。大開口によってもたらされた透明感を、ガツッ!!と引き締めるようにどっしりとした存在感を持っています。繊細さに欠けているとも言えなくはないですが。Inside Outsideで働いていても、日常的にコントラストについて考えさせられることがあります。
空間構成は、ダイアグラム的で、どこかユーモラスな建築です。

写真上)会堂へ通じる扉には金箔が用いられた。
写真下)階段室に接している吹き抜けからもみじ型空間の外皮が見える。

大開口は東西に抜けるように設けられており、スクリーンも強い朝日と西日をうまく取り込むようにデザインされています。モックアップチェックには、デイライトがとても重要だったので、この日はベストの天候に恵まれ非常にラッキーでした。

   

現段階では、モックアップをちゃんとお見せできませんが、近いうち、完成した暁にはここでも紹介できると思います。


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