エストニア・タリン便り_2011.06.26


ここエストニアは、6月23日の戦勝記念日(もともとは1919年の対ドイツ戦)、24日は夏至の日、そして週末との4連休でした。エストニア人たちはこの夏至の日を家族や友人たちと田舎ですごす習慣があり、私もタリンから200キロほど離れた、友人のサマーハウスのある南エストニアのオテパーの近郊に出かけてきました。国土の一番高いところでも318mというこの平らなエストニアでも、南エストニアは比較的起伏があり、点在する湖とともにきれいな風景が楽しめます。



サマーハウスの近所の湖

森の人たちであるエストニア人にとっては、町に住んでいる人たちも短い夏の間はできるだけ田舎に滞在して、休暇をすごすのが大事なことになっています。子供時代に夏休み(なんと3ヶ月もあります)を祖母や祖父とともにすごした彼らにとっては当たり前のようです。

今回滞在させてもらったサマーハウスは、友人の母親が94年に購入したもので、代々住んでいたいわゆる「実家」というものではありません。この背景には、独立回復後の1991年以降に起こった社会体制の変化があると思います。ソ連時代にあったソフホーズやコルホーズなどの集団農場が崩壊したあとに、町に住む人が増えて手放された家や、国有化されていた土地や家屋などを元の持ち主や子孫として返還された人たちが手放した家などが市場に出てきました。

さて、ここの農家も典型的な配置をしています。コの字、もしくはロの字の一辺には母屋、そして残りはサウナ、納戸、干草小屋、家畜小屋、地下室を含んだ保存庫などが並んでいます。あとは厠と井戸が適当に配置してあります。

いつもこの夏至のころは雨ばかりなのですが、今年は天候にも恵まれ、草刈や巻き割りの作業のほか屋外でバーベキューをしたり、バドミントンをしたり大変楽しくすごせました。

この夏至の日の前夜はエストニアの町や村の広場などで大きな焚き火を囲んで歌や踊りを楽しむ祭りが行われます。(参考)エストニア特有のものではなくて,北ヨーロッパを中心に広く見られる風習だと聞きました。私たちも雪の重みで壊れてしまった小屋に使われていた梁や屋根組みや板などを組んで自分たちの焚き火を作りました。

完全に日の沈むことのない白夜のなか、暖まったサウナに入り、出たり入ったりを繰り返し最後はそばにある池に入ってと、サウナのフルコースを楽しみました。いまさらながら、人々の生活習慣や考え方というのは、その土地の特徴、気候と密接に結びついているんだと実感しました。


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