エストニア・タリン便り_2011.07.02


先週、今週と面白い人達と会って話をすることが出来ました。

さて皆さんは近藤哲雄さんのことはご存知ですか。ベネチア建築ビエンナーレで「CLOUDSCAPE」と題された霧をつかったすばらしいインスタレーションを作った方です。(CLOUDSCAPE)(近藤さんのホームページ)

今年2011年はエストニアのタリンとフィンランドのトゥルクがヨーロッパ文化首都になっていて、こちらタリンでもいろいろなイベントが開催されています。(オフィシャル・ホームページはこちら) そのひとつがLIFT11という2011年アーバン・インスタレーション・フェスティバル。タリン市内のパブリックスペースへインスタレーションを提案することによって、その場の意味や価値を再発見するというものです。去年行われたコンペで私の案 MERELE (=TO THE SEA)も選ばれ、現在最終の詰めにかかっています。やっと建築許可が下り、来週から作り始めます。詳しくは次回お知らせしたいと思っています。


LIFT11のキュレーターたちが、今年の秋タリンで開催されるタリン建築ビエンナーレに近藤さんをぜひ呼びたいということで、忙しいスケジュールのなか日本から下見に来た近藤さんを紹介されました。近藤さんの「CLOUDSCAPE」はこの目では見ていないのですが、現地に行った友人やメディアなどを通じて知っており、興味を持ってお会いしました。

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インスタレーション予定地のことや、エストニアのこと、そして計画中の私のインスタレーションに対するアドバイスを頂くなど、いろいろ話ができました。話しているうちに共通の友人がいることもわかり、こんな世界の果てのようなところで、二人とも世界は狭いものだと感心しあいました。9月頭に完成しないといけないというちょっと無茶なスケジュールですが、ぜひともすばらしいインスタレーションを作っていただきたく、キュレーターともども手伝っていきたいと思っています。

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キュレーターの二人とともに、完成したインスタレーションのひとつ「PIER」にて

もうひとりは先週こちらのギャラリーで始まった「HOUSES LT」というリトアニアの現代住宅展のキュレーターです。


リトアニアのカウナスに事務所を構える建築家ギンタラス・バルチーティス(GINTARAS  BALČYTIS)さん

このリトアニアには第二次世界大戦時に「日本のシンドラー」と呼ばれることもある杉原千畝さんが赴任していたこともあり、歴史的なつながりがあることもあってリトアニアのことをご存知の方も多いのではないでしょうか。リトアニアの建築界は日本との交流が盛んで、その一環として6月頭にはリトアニアの建築家達が参加して東京でシンポジウムが行なわれたそうです。ギンタラスさんも銀座でのワークショップはいい刺激になったと言っていました。

この展示は最近10年のリトアニアの住宅を集めたものです。展示のカタログがネットに出ているので、紹介されている住宅についてはこちらから見てください。(カタログ) ここに選ばれている住宅をみるとエストニアに建ってそうなものもあるのですが、エストニア人の好むミニマルな白い箱のデザインのものが少なくて国の違いを感じます。そういうデザインはリトアニアの人たちはあまり好まないといっていました。

ギンタラスさんいわく、ソ連時代はバルトの3つの国はソ連邦の中でも一番進んだデザインをし、お互いの交流があったが、いまはそれがなくなってしまって隣の国が何をやっているのかわからなくなってしまった。だからこうやって横の交流を取り戻していくことが大切だと述べていました。確かにそうかもしれません。エストニアの現代建築を紹介する展示はロンドン、ドイツと周り、この夏にはモスクワにも行くはずなのですが、近所のラトビアやリトアニアに持っていく予定は聞いていません。バルトの国々は、やはりこの20年の間、あまり東側(=過去)を見ずに、出来るだけスカンジナビアや西ヨーロッパを向いて、それを目標にして進んできた気がします。

 


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