エストニア・タリン便り_2011.10.09


一月ほど帰国していたため更新が滞っていましたが再開します。久々の今回は、前回告知した9月26日から3日間東京国際フォーラムにて開催されていたUIA世界建築会議に参加したバルト建築家協会の展示についてお話します。二度の台風の影響にもかかわらずなんとかこぎつけたこの展示、我々BAUAのメンバー全員大変うまくいったと手ごたえを感じています。

 

“GLOBE” – Shape your future! と題されたこの展示は、私が展示のキュレーターの以来を受けて以来、一年ほどかけて実現にこぎつけたものです。

 

DESIGN2050と題されたUIA会議のメインテーマに答えるべく、通常の建築作品やプロポーザルをボードやヴィデオを使って紹介するよりも狭くてもコンセプトのはっきりした展示をすることによって、バルトの国の考え方などを前面に出したいという思いで昨年秋に催された公開コンペの一等案、エストニア人学生マーク・グリミティルトの案に基づいて企画しました

 

彼の詩的かつシンプルな考えとは、おのおのが2050年へのヴィジョンを粘土で表現できる場として直径2メートルの球を展示の中心に据えたいというもの。

 

現代社会において建築が将来の人間の生活や環境にどのように関わり、提案していけるのかと問われているなかで、我々BAUAはひとつのヴィジョンでは将来の環境を包括的に解決できず、将来というものは一人ひとりの参加者の行為の積み重ねだと考えます。それを模した様なシミュレーションとしてこの球体とその発展するプロセスを見せようと考えました。油粘土はみなが子供のときに遊んだ経験があるものであり、この制限のないすばらしい素材を通して参加者を巻き込む展示になることを期待していました。

 

来場者と3つのレヴェルでのコミュニケーションを目論んでいました。

 

1.展示会場での展示もしくはインスタレーション

2.おみやげもしくはもちかえるもの、BAUAのウェブサイトに誘導

3.新しく立ち上げたBAUAのサイトに展示の様子を投影。さらにそこからBAUAやそのメンバー国それぞれの活動を紹介

 

設営2日プラス26日の昼12時の展示のオープニングに先駆けて短い時間のワークショップを計画。ワークショップで第一世代のヴィジョンができ、その後参加者が変更追加していくことを考えていました。

ちょっと長くなりますが、ここからは展示の準備から撤収まで順をおって紹介していきます。

 

直径2メートルの球体の重さのため、初めにこの球体を中を空洞にできるようにグラスファイバー製のシェルを彫刻家の手を借りてエストニアで製作することにしました。

 

石膏でできた半球をガイドにしてシェルを作りました。
 
 
完成。なんかみんな丸いですね。左がエストニア建築家協会のBAUA担当のヒンドレックです。これを6分割して梱包。
 
 
7月末にコンテナ便で横浜港に向けて発送しました。このコンテナはシンガポールで5日遅れ、さらに秋分の日の前の台風16号の影響で横浜港で積み下ろしができず、ぎりぎりのタイミングで通関をし、設営の日に間に合わせることができました。
 
設営一日目(9月24日)、パッケージを開けてほっとします。エストニア人たちで設営開始。
 
 
 
伊藤君と、桑沢で教えてる大松君の二人に頼んで集めてもらった日本人の学生ボランティアが到着。
 
さっそくお土産となる箱と箱に入る粘土の玉の製作に。
一日目を手伝ってくれたみんなで集合写真。
 
 
箱はこのように壁に取り付けられます。
 

 

ここまでで一日目終了。
二日目はちょっとゆっくり。まだまだ下から粘土を貼っていくのに時間がかかりそうだと思ったら

 

 
 
ラトビア人とリトアニア人が到着。背の高い人たちで上からも粘土を貼っていくと
 
あっという間に球は粘土で覆われてしまいました。お昼のあと、すっかり粘土を気に入った学生たちが自発的に月曜のワークショップでやろうと思ってたことを始めてしまう。出てくるものの迫力想像力のが面白く、そのままやってしまおうということに。結果的には月曜の参加者が少なかったのでこれでよかったことに。
 
壁のお土産も終了。

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