エストニア・タリン便り_2012.10.12


久しぶりに更新します。あっという間に9月が終わってしまい、もう10月です。

こちらは9月から新学期が始まり、私事ですが娘が小学校に入学、そして私の教えている大学でも新入生が加わりとイベント続きの一ヶ月でした。

エストニアの学校は制服というのがなかったのですが、日本の学校や英国のパブリックスクールの制服着用がよい例とされていて、近年少しずつ導入されています。娘の通うタリン市立の学校でも入学前に親に対しての説明会があり、帽子とベストがほぼ義務付けられ、スカートやズボンもナチュラルな色目の、華美にならないものを着用のこととの連絡がありました。

こちらは入学式の模様です。この学校は小学校から高校までの一貫教育を行い9年生(だったと思うのですが)までは男女別クラスにて行っているのが特徴です。男子と女子の学習のテンポが違う間は分けて行なうとのことです。一クラス25人程度で一学年2クラスの小さな学校です。キリスト教の学校で週に一度宗教の授業が行われています。

さて大学のほうですが、今学期は3年生の都市計画と4年生の建築理論の授業を担当しています。

都市計画といってもひとつの小さなエリアのディテールプラン(DETAIL PLAN)を作り上げるのが課題です。それにはプログラム、建築のボリューム、交通や植栽等のアイデアを盛り込むことが必要です。4年生の秋学期にもうひと周り大きなエリアのプランに取り組む準備も兼ねています。ディテールプランの作成は私の事務所ではあまり取り組んでいないものなので、私自身の勉強も兼ねています。


敷地は10,000平米。以前事務所で集合住宅のコンプレクスを作るというコンペに参加した敷地を選びました。


この敷地の特徴としては以前触れた木造住宅が並ぶ雰囲気の保護指定されているエリアに隣り合っていること、敷地内に文化財指定をされている石灰岩造りの倉庫があること、いま都市計画上の議論が盛んになされている海岸沿いのエリアへのアクセスを考えることによっていまタリンでおきている議論に耳を傾けることが出来ることなどがあります。学生は自由にプログラムやボリュームの設定が出来ますが、既存の街とどう対話をするのかをしっかり考えてもらいたいと思っています。3人程度のグループで取り組んでいます。

(石灰岩造りの倉庫)

 

(敷地の南側、この倉庫は取り壊し可能としました)

 

(敷地の北側、こうやって塀で囲まれていて中に入ることはできません)

 

(この塀にそって歩いていくと、木造住宅の並ぶ通りになります)

 

(敷地の東端に位置する元警察署の建物)

 

(敷地は海岸沿いの高台に位置しています)

 

(石灰岩の崖を降りた下は敷地はいま都市計画上の議論が盛んになされている海岸沿いのエリアです。去年この海岸ではインスタレーションが設置され、人々に広く使われる場所になりました)

もうひとつの授業は、4年生の春学期におこなう卒業設計に取り組む前に、以前この学校ではあまり重要視されていなかった理論というものに触れ、考える手助けになるようにという目的で始めました。他の先生が2年生に理論の古典を時代に沿って教えるということになったので、私は「建築と自然」、「建築と時間」のようにテーマ別に話をすることにしました。下敷きにしているのは、私の修士課程在籍中に薦められた、Kate Nasbitt編集の Theorizing a New Agenda for Architecture: an Anthology of Architectural Theory 1965-1995 です。

その他、最近面白かったり考えさせられた文章を取り入れて全体を構成しました。初めは学生同士のクラス内でのディスカッションを期待していたのですが、難解な英語にて怖気づいたのか、静かなエストニア人気質が蔓延したのか、あまり手ごたえがありませんでした。そこで途中でやり方を変え、それぞれ興味のあるテーマを選らんだ学生たちがグループで発表、それにたいしてディスカッションをする形に改めました。授業の後半はセオリーとプラクティスを結びつける目的で、テーマに対する私の見解ともに、自分自身の設計した建物やその他の建築家の建物を例にして説明するようにしています。

ひと学期続けて講義を持つのは初めてで、すべて手探りの最中ですが、楽しんでやって行きたいと思います。スタジオの進行など、追ってお知らせします。


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