ベルギー・ブリュッセルより 08


ー近況ー

立面図が横に長いプロジェクトが続いています、前にこちらで紹介したパリのプロジェクトは既存部分で600メートル!あったのでつなげれば良いんですね、と思うにいたりました。次は90度回転して縦に長いプロジェクトをやってみたいものです。なかなかチャンスを掴むのが難しいかもしれませんが、設計する機会はゼロでは無いでしょう、設計は涎ものですね何せコアをコピペするとプランが半分埋まるのですから、、、

パリのマクドナルドプロジェクト、ドローンによる映像が建設会社から、音がシリアスなのでスタッフ一同笑ってしまいましたが(音量注意)出来上がると立面がダブルマックになる予定です、ただし硝子と石ですが。でも長いのと具のごった混ぜ感からどちらかというとサブウェイですよね。

さて本題です、

ーテストプロジェクト feasibility studyー

最近のコンペはちょっと要求項目が多過ぎませんか?もう少しおおらかな方が良いことも多い気が、どうでしょう。

国にもよりますが公共事業の場合、マスタープランの次くらいの順番で、法規に照らし合わせてどのような建物がプログラムに対して敷地内に建てられるかを検証するプロセスがあります。テストプロジェクト-feasibility studyの結果によっては、プログラム自体が変更される事もありますし、その後に続く実際の建築設計プロジェクトの法規的な指針を決定する場合もあります、またその結果を受け取ってプロジェクトを始めることもあります。

今回は後者のお話です。
敷地の条件や法規、プログラム等が厳しい場合、素直に行われたテストプロジェクトほど現実的で、不運にもプロジェクトスキームとして魅力が少なくなってしまう場合があります。もちろんテストプロジェクトの意味はデザインすることではなく、条件を整理する試みです。クライアントの要求はそのテストを下敷きにしているため、条件がさらにみがかれてその後に続くプロジェクトの新たな条件として上書されます。

その結果を受けとり、設計する方は

1. 素直に受け取り、魅力を別の角度から加える。
2. 失敗は覚悟の上、根本的にくつがえす論理建てを試みる。
3. コロンブスの卵を発見する。
4. 地道にスタディーを積み重ねる。

という選択肢があるのですが、当然テストプロジェクトより優れた成果を出す事を求められます。テストプロジェクトを依頼された事務所が幸運にも?優秀でなかった場合は、設計する方としては2番、3番と出来ることもありますが、仕事ですからしっかりしている場合がほとんど。そう簡単にはパラダイムシフトは起こりません。4番目にしてもスタディーの当て打ちはチームの経験値が高い場合のみ有効で、当てられなければ当たるまでスタディーをくり返す時間のかかる作業。

そんなテストプロジェクトへの対応(他国の法規理解等)に時間を取られるのは設計する方としては大変な時間ですが、そこを通る事で案が飛躍することがあります。現実味90%のテストプロジェクトとにらめっこしながら法規理解等で一日が終わる日々。テストプロジェクトを下敷きにして、クライアントがさらに上乗せした条件をクリア出来るか、更に要求を超えるような解答が出せるかチーム内で頭の体操が続いています。まだ構造・予算・設備・サステイナビリティー・ランドスケープが入る前段階、これからそれらの専門家のインプットを取り込み調整する段階へ、コンペなので短期間で設計していきます。

ー秋休みー

ベルギー観測史上最も暖かい秋の一日を迎えています。

秋休みという一週間の休みがこちらにはあります。ちょっと一息入れて、となるのは学生だけで社会人には祝日が一日、公務員や正規雇用社員はその恩恵に、フリー(自営)な仕事に就ている場合はもちろん関係ありません。

そんな休みの時、この街の働く親達は一般にスタージュと呼ばれる子供向けのいろいろなアクティビティを利用します。文化系ー絵を書いたり粘土コネたり演劇活動など、各種スポーツ等も探すと結構いろいろ出てくるのですが、基本は5日間(月ー金)のコース、一日だけとかもありますが料金も割高ですし、同年代とはいえ知らない人々の間に一日だけ子供を送りこむのはちょっと気が引けます。

一週間もある休みなので、おじいちゃん、おばあちゃん、いとこ達またはボーイ/ガールスカウトで海辺もしくは秋の森の中で過ごすなんてのも一般的なようです。

今回はその秋休みの予定が休みの前日に破綻してしまい、結果2日間仕事を休むことに。新しいプロジェクト開始早々だったため迷惑をかけたのが最小限、チーム内で済んだからまだよかったものの、予定が崩れた時は冷や汗ものでした。実施の締め切り前やコンペも終盤だったらと思うとゾッとします。迷惑をかけたチームにごめんなさい。

その二日間は、幸運にも天気は良く、さらに子供の学友の誕生日イベントがいくつかあったため予定には全く不自由せず、子供達と一緒に秋晴れの空の下公園に行ったりと予定外のリラックスタイム。秋休みも悪くないな、と思ってしまいました。


アーカイブ

カテゴリー

スポンサーリンク

シェルター クリエーションバウマン
タニタハウジングウェア SIKA
アトムカンパニー ニュースト
ROOVICE BEAVER
総合資格学院
Copyright2017:unicorn-support