チリで新年をむかえてみよう


今年でチリで新年を迎えるのも3度目になります。ここチリはカトリック教国なので新年については日本ほどの思い入れはありませんが、それでもやはり新しい年の幕開けは全人類にとって喜ばしいものであります。そういうわけで大晦日の夜は街に繰り出すことにします。旧市街にある携帯会社の電波塔の屋上から年明けと共に花火が打ちあがり、そこに人がたくさん集まるということで出かけてみることに。


もうすぐ日本に帰る横国後輩の嶋田くんとともに。

「はらださん。こっちです。」


サンチアゴ市内は大晦日だというのに驚くほど静かですが、さすがにこの界隈は賑わっています。途中珍しく日本人の女の子連れが歩いていたのを見つけ、珍しく嶋田くんが声をかけていました。「あのぉ、旅人系ですか?」「え、あ、はい…」しかし残念ながら2,3言葉を交わした後、その女の子たちはあっさりと金髪欧米人の後ろになびいていってしまいました。どんまい。

「はらださん。こっちです。」


さらに人は増えていきます。


途中にはさまざまなパーティーグッズを扱う露天が並びます。こちらではきらきらのハットやメガネ、さらには新年を祝うための泡スプレーなんかが販売されています。

他にもピザとか

また通常路上では飲酒禁止ですが(警察に見つかるとその場でドボドボと捨てられる)、この日は無礼講。

もうこれ以上人ごみで進めないかなというあたりでストップ。新年を迎えるのにふさわしい場所を探します。正確に言えばかわいい女の子を探します。というのも新年の幕開けと共にこちらでは「Feliz Año Nuevo! = Happy New Year!」と叫びながら隣にいる人同士でハグしあうささやかなイベントがあるのです(事実去年バルパライソで年越ししたときはそうだった)。

というわけで嶋田レコメンドも含めた何人かの候補者の近くに陣取ります。ただし大体は彼氏と一緒です。さて、ここでも無礼講は適応されるのでしょうか。

Feliz Año Nuevooooooooo !!!!!!!!!! = Happy New Yearrrrrrrrr !!!!!!!!!!!!

 

とくにカウントダウンもなく急に新年を告げられました。もう少し新年を迎えるにあたって心の高めようというものがあるでしょう。そのへんチリ人は雑です。まぁそんな細かいことはいいでしょう。めでたい新年ですから。

「はらださん。こっちです。」
嶋田くんも顔にいろいろぶっかけられています。でもうれしそう。

電波塔のてっぺんから花火が上がります。


フォォォォオオオオオーーーー!!!
外人どもは声高らかにさけびます。

しかし肝心のハグをする気配はありません。


おっと、さきほどの女の子も彼氏と濃厚なキスを交わしています。
どんまい。嶋田くん。

「はらださん。こっちです。」
切り返しの早い嶋田くん。さすがフットボール歴20年です。

花火はものの15分くらいでしょうか。
それが終わるとみんなアッサリと引き上げていきます。

帰りの道中でも嶋田くんは絡まれています。


「アンタァ、このビールかわないぃい!?おいしいよぉ、グヘヘヘヘ」(とたぶん言っている)

「い、いや、イイっす、、、」(とたぶん言っている)

道は荒れ切っています。


犬も走る。

さて、無事新年を越した所で、次は嶋田くんのボスの家のニューイヤーパーティーへと繰り出します。

「はらださん。こっちです。」
マンションの階段を上がり、とびらを開けるとそこは。

オラァァァァァーーーー!!


フォォォォオオオオオーーーー!!!


アニョヌエヴォォォォォオオオオオーーーー!!!
テンションMAXの外人どもがお出迎えです。

お、おらぁ…し、新年おめでとう。
このテンションについていくにはお酒しかありません。
わんこそばのように注がれるテキーラをショットで飲み干し、何とかこの空間の雰囲気に食い下がります。
ワークショップでおなじみのディエゴ・グラスもノリノリです。

ヨーヨー!ワッツアップ!!YGSA!!! (嶋田くんを添えて)

ディエゴ嫁もいます。

オラー!キタヤマサン!オラー!コジマサン!オラー!マリコ!
オラー!アリガイ!オラー!エリカ!オラー!サンドー!
ハラキリ ゲイシャ フジヤマー!ハッピーニューイヤー!

えぇ、今日は無礼講です。

みんなオドル。

オドル。

オドルオドル。


夜景もきれい。

嶋田くんも陽気に踊ります。

「はらださん。こっちです。」

どっちだよ…


そっちか…


あっちか…!

いやぁ~、こっちかぁぁ…!!!

アレ、なんだか気持ちよくなってきたぞ!
ハ! ハ! ハ!

HA! HA! HA!

JA! JA! JA!

アハ、アハハハハハh…アfんじ絵sぬgじゃhくぃjfさへ初hfぢ右hjdjkw4ろいy対jふぃそhg霊宇尾hw…

 

 

 

 

チュン、チュン、、、
「うぅ、まぶしい。目が溶けそうだ…そしてここはどこ…?」

気がつくとそこは見知らぬベッド(マット)の上
隣には嶋田くん
そしてブルーのバケツに肌けたトイレットペーパー。

服は、、、着てる!
そう。
新年早々粗相@フェラーリ邸2015元旦。合掌。
その後もトイレとマットを往復し、体の底から込み上げる上昇流と戦う苦悶の元旦。
とりあえず正午過ぎまでダウン。

数時間後に肩で息をしながら(脱水症状気味)、まずは嶋田邸に帰還。
そこでまた6時間ほど休む。
水なき水を吐く。
再び肩で息をしながら地下鉄に乗り込み命からがら自宅のベット(マット)に倒れこむ。
そのまま再び12時間ほど睡眠。
そして何とか日常生活を送れる程度に回復。
しかしなぜか尾てい骨辺りが傷むなと思い見てみると、なぞの打撲跡。合掌。
うーむ、ぜんぜん覚えていない。
実はこうした粗相はチリに来てから何度かあるので、それ自体はとりたてて珍しいことではなかったのですが、よわい30手前にして記憶を失くすまで飲んだのは初めてだったのです。なので昨日は死んでしまいたいような嫌悪感に見舞われはしたものの「あぁ俺も記憶失くすほど酔えるんだなぁ」と、ささやかな感動を覚えたのもまた事実です。

ソファから起き上がれない哀れなセンパイを横目にパチパチとキーボードを打ち、論文を書き進める大学院生の嶋田くん。もう僕を導いてはくれない。

というわけで、清き元日を24時間以上の睡眠で、文字通り「寝正月」として喪失したわけですが、いまはケロリとしてこのような愚文を書くほどの心持に至るほど健康であります。

人間あたらしい体験をするということは、いくつになっても素晴らしいことです。

どうぞこの2015年がみなさんの野心溢れる新たな挑戦の1年になることを地球の裏側からお祈りしております。

そしてどうぞみなさんお体ご自愛ください。

それではみなさん良いお年を。

2015年1月2日原田雄次


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