2015-12-07
SANAAパートナー山本力矢さんによるなかまちテラス解説
12月6日、SANAAパートナーである山本力矢さんのインタビューをなかまちテラスで行いました。
インタビュー前、山本さんの御厚意により、妹島和世建築設計事務所で担当されたなかまちテラスの解説をしていただきましたので、その時の様子をお伝えします。
なかまちテラスは東京都小平市にある、図書館と公民館が一緒になった建築です。市内には7つの図書館があり、その中でも一番古かった仲町図書館を建て替える際にコンペティションが行われ、妹島和世さんが1等に選ばれました。
小平市は、高度成長期に開発されたベッドタウンです。玉川上水が市内を貫き、短冊状の農地がならぶ、自然豊かな場所です。周辺には広い庭をもった戸建が立ち並び、また屋敷林をもつ農家が点在しています。
なかまちテラスは、そういった庭と戸建住宅の関係性を考え、敷地に対して余裕をもたせながら、小さなボリュームが寄せ集まった構成をしています。
建物全体はエキスパンドメタルで覆われています。
正面はガラス張りになっていますが、建物裏側には住宅があるため、視線の関係上壁が多くなってます。エキスパンドメタルで全面を覆うことによって全体の外観がまとまり、「一つの彫刻」という佇まいが実現されています。また本の日焼けなどを防止するための、調光機能を担っているそうです。
構造は佐々木睦朗さんが担当されています。
幅6m角ほどのボリュームが、それぞれ太さ100mmほどの柱で支えられており、それらが折れ曲がりながら中心に寄せ集まるような構造をしています。合理的でかつ、華奢なイメージをつくりだし、構造と意匠が重なりあった空間が生まれています。
地上レベルではそれぞれのボリュームの隙間を縫うように、半屋外空間が広がっています。図書館、カフェ、調理教室の入り口はこの空間に面するようにつくられており、様々なアクティビティの間を抜けていく楽しさがあります。
インタビュー中にこの中を自転車が通り抜けて行ったのがとても印象的でした。
山本さん、貴重な機会をつくっていただきありがとうございました。
4時間にのぼるインタビューも現在編集中です。どうぞご期待下さいませ。
草山美沙希(M1) 古野咲月(M1) YuHan Huang(M1) 宍戸優太(B4)
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