《卒制2021》インタビュー15_佐土原聡


《卒制2021》インタビュー、第15回は、前都市科学部学部長の佐土原聡さんです。

建築や都市を考えることについて、都市科学部一期生として佐土原さんとともにこの4年間を振り返りました。

 

<中略>

都市科学ABC

佐土原:そのための授業として1 年生の都市科学ABC というのがあって、それも実際に教科書があるわけではないので、なんとかこういう人たちに毎回授業やってもらったりして、その中でグローバル・ローカルっていうのが少しでも理解できるかなとか、皆さんのレポートも見たりしながらこれでもいいのかっていうことを担当の人たちと結構自問自答しながらやったっていう面もあります。ともかく人数が250人とかっていう規模で、きめ細かい授業がなかなかできなくて、一方的に喋ってレポート書いてもらって少しレポートのレビューなんかして終わりになっちゃうっていう、そういうところがありました。これからそれも少し改善していこうということにはなっているんですけど。他の学科の科目を興味があるが結構取れるようなカリキュラムになっていて、単位に入る形で選ぶこともできる。ただ建築の中の必要な科目も一定程度あるからどのくらい自由度があったのかなっていう事をお聞きしたい。一応4 年間やってみて皆さん1 期生となるわけですけど、都市科学ABC ってどうでした?

阿彦:都市科学ABC は1 年生の最初から内容が割と難しいのが多くてあまり理解が追いつかなかったのと、他学科との交流っていう意味ではなかなか難しかったのかなっていうふうに思っています。みんなでも少し話していたんですけど、ある程度自分の専門の分野を理解を深めた上で他学科とも交流できるような授業があったほうが、もっと専門的に深い議論ができたりとか、各学科としてだけではなくて都市科学部全体として何か新しいことができるじゃないですけど、いろいろ広がるかなっていうふうには思いました。

佐土原:高年次でそういう、3 年生ぐらいになってもし一緒に演習みたいにやったりできるといいのかなとか、それもちょっと議論したりはしましたね。他の学科の人となかなか交流する機会は持ちにくいですかね。

寺内:やっぱり建築学科に入って興味がある分野は建築がメインだったりするので、他の分野の内容が難しかったり、自分の理解が追いついてないところがあったりしたので、先生によって話がわからなかったりとか色々、自分の中でレポート書いたりとかして本当にわかって書いてるのかなっていうのは結構あって。また今同じ授業を受けたとしたら多分考え方とか見え方とかも変わってると思うので、学年が上がった後で似たような形で受けてみたいというふうには思いました。

佐土原:やっぱり1 年入っていきなり面食らったりしてた感じですかね。結構専門的な話をする先生もいて、配慮してなるべくビジュアルにやってくれる先生もいるんだけど、自分の世界に入り込んでしまうような先生もいるんですよね確かに。だからあまりにも情報量も多いんだろうから、それが消化しきれないうちにどんどん入っていくから分からなくなっちゃう、そういうところがあるかもしれないですよね。「リスク共生」は野口先生が繰り返し説明してましたけどどうでしたか?(笑)

正林:本当に正直に言いますと、都市科学A とCはまあ内容は難しいながらも自分なりに消化したつもりだったんですけど、リスク共生の時は本当に分からないことしかなかったっていうのが正直な感想です。

佐土原:僕が聞いてても、すごく抽象的な話だからどこまでわかるかなっていうのは思ってて、繰り返しいろんな表現で同じことを説明しているんですよね。今のこういうコロナのような状況がこうだからこうっていうふうに、これとこれで共生とか、両立しないとか色々具体例を取り上げた話はわかりやすかったと思いますけど。イノベーションはどうでした?

八木橋:確かに環境リスクに比べれば(わかりやすい)っていう感じはありましたけど、都市科学を学ぶっていうことに対して、1 年生から考えきれてないというか。そこの価値みたいなことにあまり気付けていなかったですね。

佐土原:そこの価値を入った時にどうやって理解してもらうかって大事ですよね。

八木橋:今自分が4 年終わって卒業するってなった時に改めて考えてみると、自分が思う大学で学ぶことに対して、年を重ねるごとに専門化していくってことと、一般教養みたいに広く学べるっていうことが二つあると思っていて、都市科学ABC みたいなのはどちらかというと後者のような印象があるんですけど、一般教養とは違ってもうちょっと踏み込める領域ではあると思うので、継続的にずっとやるべきような内容だったような気がして。結局専門化していくっていうだけになっていたような気がするので、そこの学びのスタイルみたいなものが、都市科学部っていう新しい学部で体現されたらおもしろいなっていう風に思います。

佐土原:今言った価値っていうか、1 年生で入った時の動機付け、都市科学っていうことで学ぶことの意味をもっと明確にしないと、きっと専門が忙しくなってきたらもう専門やらないとっていう感じになってしまいますよね。どうですか都市科学、どんな風に受け取ってました?

周: 都市科学 ABC はレポートが多く苦労しました。けれどその中でも都市科学 B は 印象に残っていて 、抽象的な内容も多かったけれど、大学院試験の時に小論文があり 対策をしている中で、横国のリスク共生社会創造センターのホームページにあった野口先生のエッセイを読んでいて、 一年生の時に学んでいたことがこのコロナの情勢によって結びつきました。 四年前に学んだ知識が実体験となり再認識しました。

佐土原:そういうように活かされていると凄く良いと思う。聞いた時は十分に理解していないけれど、何度も聞かされることにより結構頭に刷り込まれていたり、そのことがパッとある事象に触れることにより、このことだったのかと学べるということは、都市科学ABC にとっては良い形だなあと思います。1 年生の頃はコロナの状況ではなかったけれど、今改めてリスク共生の視点から見るといろいろなものが見えてくることもありますよね。

 

本文はこちら・・・15_佐土原聡

 


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