《卒制2021》インタビュー、第3回は、建築家の藤原徹平さんです。
藤原さんには、1年の「建築と社会のデザイン」「身体と空間のデザイン」から、4年間を通じてご指導いただきました。
企画という言葉が出ましたが、藤原さんはよくいろんな建築家の方と一緒にコンペに取り組んでいるというのが印象的です。あと建築を作るだけではない、ワークショップをやられていたりしているのも、藤原さんの印象の中にあります。どのような思いでやられているのですか?
藤原:それはもう楽しいか、楽しくないかじゃない?単に僕がそうい うのが好きなだけで、みんなも楽しいことやってればいいと思うんだ けど、それを続けられるかどうかだよね。学生時代にやってくことと、 社会人にやることがガラッと変わっちゃう人もいるから、それが変わ らずにやれる人っていうのが企画力があるということだと思うよ。そ の時々の自分の立場に応じて遊べばいいわけだから、遊べるかどう かだよね。それは本当に企画力の問題だと思う。
大学っていう場が学生の身分としても与えられていて、学部生とし て与えられてる権限と、大学院生として与えられてる権限も似ていて 違うし。大学院生なら TA とかもあるしさ。あとは先生と仲良くなる からもっと先生と一緒に活動できる範囲が大きくなるし。あとはルー ルもわかってくるから、何が怒られて何が怒られないかもわかってく るじゃない?今度将来、非常勤講師として大学に来てみるとまた違う 権限が与えられて、教員ならまた違う権限が与えられるじゃない?同 じあのキャンパスって言ったって遊び方はいろいろだよね。サークル を作ればサークルの活動としてキャンパスの一部を占有することがで きるし、教員だったら研究として、あるいは課題をつくることができ るし。
大学やキャンパスを自分に与えられた道具だっていう風に理解で きているかどうかだと思う。一人一人が社会のどういう場所にいる かによって自分の周りにある道具は違うから、道具をどう使うかって いう、それは想像力、企画力だと思う。そういう風に物事をみられ るかどうかじゃないかな。戦略っていうよりかは、面白いかどうかっ てのと、使えるかどうかだね。道具だから。
高橋:建築業界の中で凝り固まらないようになるべく外の人たちと関わっていこうみたいなスタンスは藤原さんが学生の頃からも続いてることなのですか?
藤原:学生の時からそうだよ。建築の伝統みたいなのそういうの一番嫌いなんだよね。普通にヘルプがいて、普通に毎年先輩を手伝ってヘルプが継承されて先輩後輩がっていうのは僕の中にはなかった かな。「せんだい」みたいなものもどちらかと言うと好きじゃないんだけど、ある種あれも伝統に感じるからね。とはいえ横浜国大の内弁 慶も伝統に感じるからそれも嫌だなと思うかな。何もかも嫌だとは言えないから、それぞれの人が自分の立場をはっきり考えるべきだと思うかな。
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