《卒制2021》インタビュー4_寺田真理子


《卒制2021》インタビュー、第4回は、寺田真理子さんです。

 

寺田さんには、講評会以外にも建築雑誌の編集者だった経験から都市を対象とした本づくりなどの授業でお世話になりました。

インタビューでは、普段聞けないような編集者時代のお話や故郷の話なども伺いました。

西尾 全然違う話なんですけど、寺田さんの故郷ってどこなんですか?

水野 本当に関係ない(笑)バックグランドってこと?

寺田さんの寺田 歳とともに故郷の時間っていうか自分に影響を与えた時間が、東 京で暮らしている時よりも短くなっちゃっているんだけど、私は関西の 西宮です。兵庫県の西宮で、3 歳ぐらいから小学校時代に西宮に住んで いました。当時の西宮の風景を考えると、空き地もいっぱいあったし、 その公園の木に穴が空いててそこに友達と宝物を隠したり、昔はそうい うのどかな時間と空間がありました。父親が関西出身っていうのもあっ て、関西の文化みたいなものが結構好きで、関西弁で喋られると結構心 地よさがあって、エセ関西弁かもしれないんだけど、私も関西弁が反応 しちゃいます(笑)。あと故郷ではないんだけど、私が高校生になったと きに父親がインドネシアに赴任して、初めての海外旅行は父親のいるイ ンドネシアでした。最初の地はバリ島でしたが、その異郷としてのバリ 島は印象的でした。私はアジアの空間がとても好きです。人とのふれあ いという点で、ヨーロッパ以上に人と空間を身近に感じるし、非常に身 体的に安心感もあり、使う人々の温かみを感じます。また 2 年前にスリ ランカに行ったんですが、スリランカの人々の笑顔はとても素敵です。 みんな会うとニコニコするんです。そういう笑顔があるとやはりこちら 側の外国にいるという緊張感が解ける。それこそが人と人がつながり信 頼関係を作るっていう意味で、本来あるべき形でシンプルで良いと思い ます。だからアジアは好きなんです。

西尾 編集の仕事を始めた時に、最初はアジアを、っていうのを見たん ですけど。

寺田 アジア特集を作ろうと思って、ちょうどバブルが日本は終わりつ つあったけど、今度アジアが逆にバブルの時代になって景気が良くって、 そういう変わりゆく社会におけるアジアの街と建築っていうものは実際 にどんなんだろうと思って企画を作りました。もちろんアジアがそもそ も好きだった、興味があったことから始まっています。何かしら自分で 企画を立てたいっていう思いがあって、でも何をやっていいか編集部に 入ったばっかりだとどういう企画を立てればいいかわからない。自分の 興味のあること、そこを信じてやろうかなって思ったときに、当時の編

集長の人が「そういう企画だったら、こういう人に聞きに行くといいん じゃない」ってアドバイスを受けた。その時東京大学の生産研にいた村 松伸さんという建築史の先生が、もともとは中国の北京の清華大に留学 されていたこともあり、中国との関連から台湾は面白いかもしれないと、 一緒に企画を立ててくれました。当時はまだ景気がよく、協賛がついて、 日本アジア航空のチケットを提供してもらえたりして、その協賛のおか げで現地にいって取材もできました。また現地のホテルも協力してくれ ました。現地では、向こうの人の建築家にインタビューしたりとか、台 湾の建築家からリアルな言葉をもらい、また現地で建築を実際にみるこ とで、取材を通じた大きな学びがあった。台湾の後はベトナムの特集を、 ベトナムの研究をしている 3 大学の研究室と一緒に総覧的にベトナムの 建築の歴史と現状を紹介しました。ちょうどベトナムの開発が色々進ん でいるころで、変わりつつある状況でした。台湾特集以降は、自分で会 社からお金出ずに、ベトナム特集のときも含めて、ボーナスを使って旅 行しつつ、その際にインタビューとかやっていましたね。

自分自身がいかに楽しめるか

西尾 すごいですね。

寺田 「『SD』という建築雑誌の編集者」という看板をもって、「インタ ビューさせて欲しい」と事前にファックスを送ってやってきました。当 時は今のようにメールで連絡するということはなかったんです。そうい う取材の仕方は自費であってもそれがとても楽しかったから、やってい ました。やっぱり、大切なのは自分がやるなら、どうやると楽しくなるかっ ていうのを考えてやるといいと思う。20 代は給料が少ないとかに関わら ず、やりたいことをいかにやるかってことをやって、じゃあこれはこの 道でいこうとかっていう風に決めるのがいいんじゃないかな。で、30 代 になったらやっぱり自分はこの道でやる、これでいこうっていう基盤を 固めいくんだと思います。みんなには楽しんでやって欲しいな。じゃな いと思いも伝わらないし。人生は長いから楽しんでやらないと。だから 環境に甘んじないで自ら動く。自分自身の問題として進んでやってほし いと思います。

水野 いい話になったところで(笑)本日はありがとうございました 。

本文はこちら→4_寺田真理子


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