最近、こちらのコロナ事情ですがほとんどマスクとは無縁の生活をしています。
しかし、まだ気候はまだ暖かくならず雪が降る日もあります。
必ずダウンを着ながらの自転車通勤をしている毎日を過ごしています。
今日は、セウラサーリ屋外博物館という場所について紹介したいと思います。
まずは概要です。
セウラサーリとは島とその付近の地域の名前です。
ヘルシンキ中央駅から自転車で30分くらいでいけます。
フィンランド各地から移築された18世紀~19世紀の貴重な伝統的建物が87棟あり、
ピクニック気分でフィンランドの建物の歴史を学べます。
ここの土壌は、レンガの原料に適しており
ヘルシンキに建てられているレンガ造の建築は、
ここの土壌でとれた土を使っているそうです。
日本で言う江戸東京たてもの園みたいな場所だと思います。
博物館の入口
その中からいくつか気になったものを紹介します。
ベアキャッシュ
1800年代にラップアンドというフィンランド北部で作られた熊避け対策された倉庫です。
人が入る時は梯子を用いるそうです。
熊がいる地域ならではの建築です。
柱の上に小屋がのっているという構成で、とてもシンプルです。
ベシサハ
18世紀に建てられた製材所です。
手前に見える水車から得た動力をノコギリに伝えていたそうです。
フィンランドの産業の一つに製材業があり、木材が採れることからかなり栄えていたそうです。
フィンランドにとって製材は、ログハウスや家具など建築資材を作るときに大変重要な役割でした。
しかし、水力よりも蒸気を動力源とするものが登場し、徐々に水力は減少したそうです。
形は、日本の水車に似ています。
https://fi.wikipedia.org/wiki/Saha_(teollisuuslaitos)
ボートハウスや
コテージ
高床式の倉庫(720mmくらい上がっています。)
ログハウスの発展
こうして、いくつか回ってみると
日本と似たような技法が採られているものがいくつもありました。
その代表的なものがログハウスです。
ログハウスは校倉作りと日本で言われていますが
丸太を加工し、凸と凹を上手く組み合わせながら、面を作り上に積み上げていきます。
構成する丸太は、乾燥収縮して隙間が開いたり、逆に水を含んで膨張したり呼吸します。
これにより、内部環境を快適に調整することができるといった構造です。
自然環境の中でできた知恵が国を超えて、共有できていることを改めて実感しました。
そして、フィンランドの建築雑誌には現代CLT版ログ構造が開発されつつある記事がのっていました。
これには驚きました。
従来の構造を尊重しつつ
壁自体が呼吸する構造を生かすと、断熱材や化粧材を排除するような断面ができてきます。
まさにログハウス大国ならではの建築を考えることができています。
フィンランドの建築事情
最後に、フィンランドの建築事情を簡単にまとめます。
こちらの建築雑誌や所長の話を聞くところによると
・政府の動きとして、カーボンニュートラルの考え方が非常に尊重され、CLTを推進している機運がある。
・耐火基準の見直しや構造基準も見直しが行われており、
公営の住宅組織をはじめ、CLT建築を促進する事業が増えている。
・戸建て住宅はかなり少なく集合住宅が一般的なので、大規模の集合住宅の建築が一般化している。
・ヘルシンキの中心部とLaajasaloという島間の10kmのトラム 接続を含む建設中のプロジェクトがかなり大規模で行われている。
・ヘルシンキ南部では埋立地を絶賛開発中で世界でも類を見ないCLTのログ構造の教育機関が建設中。
こんな具合でした。
今後ますます交通網が展開していく流れで発展していくヘルシンキをはじめフィンランドには目が離せません。
今回はこの辺りで終わりにします。
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