少し時間が経ってしまいましたが、昨年12月15日、『新しいタイポロジーのスタディ〜アルド・ロッシの「都市の建築」から考える〜』をテーマに長谷川豪さんと北山恒さんによる横浜都市学の講義がありました。さらに、モデレーターとして山道拓人さんをお招きし、世代を横断した対談を聴講することができました。
横浜都市学・講義のフライヤー 引用:http://www.y-gsa.jp
この日に向けて学生たちで何度かアルドロッシ『都市の建築』の読み合わせを行い、議論してきましたが、とても難しい内容で苦戦状態でした。
アルドロッシ『都市の建築』引用:http://10plus1.jp/monthly/2014/06/-05.php
講義から日を改め、山道さんの事務所であるツバメアーキテクツを訪れ、インタビューをする機会を頂きました。
インタビューでは、講義で理解しきれなかった部分のお話や山道さんが建築家として考えていることを中心に聞くことができました。
その中でも「タイポロジーの捉え方が長谷川さんと北山さんとで違うように感じた」という学生の投げかけに対しての回答が印象的でした。
—-2人とも目的は同じで、それは「今の資本主義に負けないもの、消費に流されない建築をつくる」ということ。
しかし、スタート地点がそれぞれ違い、北山さんは社会という大きな枠組みに中でタイポロジーを考えている。一方で長谷川さんは建築の世界に限ってタイポロジーと向き合っているのではないか。
という鋭い視点でお答え頂き、講義だけでは消化しきれなかった部分がインタビューを通して解消されていきました。
また、山道さんご自身がどう都市のアーキテクチャーとして向き合っているかも伺うことができました。
それは、①[DESIGN]空間構成と②[LAB]社会構築という2つの大きな骨格でツバメアーキテクツが成り立っているということにも通徹し、建築家としての思想に直結していることに気づかされます。インタビューの中で「人の解像度を上げて建築を考えている」と言われていたことは今の時代性を表す素敵なキーワードだと感じました。
「タイポロジー」という一つの切り口でも、アルドロッシと北山さん、長谷川さん、山道さんという各々の生きた時代で広がっていく考え方はとても興味深く感じます。
しかし、建築家としての立ち位置として、今後の課題となるところもあるとおっしゃっていました。山道さんの思想がどのような方向に向かっていくのか、今後の注目にも意欲のわくインタビューとなりました。
山道さん、貴重なお時間をありがとうございました。
山道さんへのインタビューの記事はただいま編集中です。どうぞご期待ください。
Y-GSA M1 住田百合耶
インタビュー学生メンバー:川見拓也(M1)、田島亜莉沙(M2)、梯朔太郎(M2)、杉浦岳(M1)、住田百合耶(M1)
写真:住田百合耶(M1)