
「1000人がつくる河岸線―堤防×住宅―」
堤防で分断されている水辺とまち。国家が作る堤防と市民が作る住宅は相容れずに、水辺の環境を無視するように作られている。鶴見川河口の600mの浜と魚河岸通りに挟まれた旧生麦漁村において、地域性をうけつぎながら1000人の住宅の建替え計画と堤防工事を同時に計画する。この場所は、かつての漁村時代の名残として通り沿いの魚屋と浜沿いの船小屋、そのあいだの住宅の縦一列で親族で所有していた構成が残っており、ストライプ状に建築と路地が配列されている。漁業によって作られた町の構成を活かして、通りから水辺までの列単位で住宅を共同で建替えていく毎にマウンド状に隆起する堤防と地域をつなぐ遊歩道が作られていく仕組みを作る。1つの敷地のなかで地域内遊歩道を挟んで水辺側と通り側でボリュームを分節し、それぞれにスキップフロア状の魚屋や高床の水上リビングなど水辺と通りのコンテクストに呼応した建築構成が作られる。まちの歴史に接続しながら堤防工事という新しい開発をうけいれた際の、水辺と魚河岸通りに接する環境を活かした新しい暮らしの提案である。

